こんにちは。伊川(@naonaoke)です。
今回は、2020年7月9日の棋聖戦の回想をしたいと思います。
伊川ごときが、TOPプロの回想など、おこがましいでのですが、史上最年少の将棋タイトルフォルダーが誕生するかもしれないので、ものすごくワクワクして観戦していました。
棋聖戦(きせいせん)は、産業経済新聞社主催の将棋の棋戦で、タイトル戦(竜王戦・名人戦・叡王戦・王位戦・王座戦・棋王戦・王将戦・棋聖戦)のひとつ。五番勝負の勝者は棋聖のタイトル称号を得る。
産経新聞社主催の棋戦としては、1951年に開始した一般棋戦の産経杯が源流である。産経杯は1954年に準タイトル戦の早指し王位決定戦となり、さらに1960年からはブロック紙三社連合の協力を得てタイトル戦の王位戦に格上げとなった。1962年に産経新聞は王位戦を離脱し、新たに棋聖戦を開始した。当初は年2回(前期・後期)開催だったが、1995年からは年1回に変更。2018年4月からはヒューリックが特別協賛に入り、正式名称をヒューリック杯棋聖戦とすることとなった。
将棋を知らない人のために、ヒューリック杯棋聖戦の概要を説明しました。
回想は、将棋ソフトの激指14を使って説明します。(解析レベルは4段です)
現在、棋王、王将、棋聖の3タイトルを保持しています。
はっきり言いますが、強いです。
ただ、渡辺三冠は、どうしても、ヒール役になります。
2008年の竜王戦では、羽生9段の永世竜王を、3連敗のあとに、4連勝で大逆転を演じました。
しかも、タイトル戦では、ストレート負けをしたことがない強豪です。
言わずとも知れた、藤井聡太7段です。
将棋界にデビューして、29連勝です。
加藤一二三先生の記録を塗り替えています。
将棋での最年少名人は、谷川浩司9段です。
なんと21歳で名人になっていますが、このまま行けば、藤井聡太7段は19歳で名人になる可能性があります。
谷川9段の記録も塗り替えられるかもしれません。
ちなみに、囲碁は、井山裕太本因坊が、19歳で名人になっています。
屋敷9段が。第56期の棋聖戦で、18歳で、棋聖戦を優勝しています。
対戦相手は、中原誠棋聖です。
中原先生も偉大な記録を持つ先生です。
さすがTOPプロで、ほとんど互角で進んでいます。
この時点で、後手有利です。
先手の藤井7段が、-391点です。
渡辺棋聖の玉が、壁になっていて、しかも、戦場が、渡辺棋聖の玉に近いです。
6一の桂馬が、微妙に効いているのかもしれません。
ここで、藤井7段が、325点で有利になります。
この局面では、私は、藤井7段が勝ったと思いました。
しかし、この棋聖戦第3局は、渡辺棋聖は、驚くほどに慎重でした。
しかも、大山第15世名人の棋譜を並べまっくたという渡辺棋聖です。
私は、渡辺棋聖の逆転負けを見たことがありません。
激手は、この6四角を疑問手にしています。
激手は、8九金で飛車を取る手を推奨しています。
しかし、この6四角が、攻防にきいて、しかも渡辺棋聖の玉を間接的に睨んでいます。
渡辺棋聖の玉は、上部に脱出しようとしても、2六金がそれを阻んでいます。
激手は、8二歩を敗着にしています。
飛車の動きを止めて、私には良い手に思えます。
激手の最善手は、4三成銀が最善手と判断しています。
この3四香の時点で、激手の最善手は、3四同馬です。
私も同馬です。
怖すぎますが、渡辺棋聖は、3三歩して、藤井7段にプレッシャーをかけます。
遠見の馬が消されます。
なんと、この時点で、再び、藤井7段が有利になります。
す、すごい。
この時点で、渡辺棋聖が、1413点で、有利です。
しかし、6四角が効いていて、渡辺棋聖が、時間を使って何度も詰筋を確認していました。
こんな、慎重な渡辺棋聖は、初めて見ました。
それくらい、油断すると、藤井7段に負けるかもしれないと思っていたのでしょう。
さすが、藤井7段です。
激手で確認したところ、9二銀ではなく、7二銀でした。
詰むまでは、指されていませんが、116手で中原誠棋聖が投了しています。
中原棋聖が、6五銀と、飛車取りと、馬取りをかけました。
屋敷9段の次の一手が勝敗を分けたようです。
屋敷9段が、当時の振り返りをしていました。
「馬で歩を食いちぎっていく手が良い手でした」と回想していました。
私なら、この時点で泣きそうです。
ここから、屋敷9段がジワジワと中原棋聖を追い上げます。
史上最年少のタイトルフォルダーが誕生した瞬間でした。
渡辺三冠は、私はあまり好きではありませんでした。
強すぎるために、羽生先生を肝心なところで負かしてします。
もし、今回も藤井7段を負かしたら、ヒール役になりますね。
しかし、最近は、渡辺三冠が好きになりました。
現在、豊島名人と名人戦を戦っていますが、ぜひ、名人を奪取して、渡辺四冠になってほしいです。
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