
GPT-5よりも接客上手な女たち〜ある夜のAISO誕生〜
ChatGPT-5はすごい。知識、会話力、応答の柔軟さ──あらゆる点で人間を凌駕してきている。
でも、俺は思うんだ。
本当にすごい“AI”は、もうずっと前から夜の世界に存在していたんじゃないかって。
たとえば、キャバ嬢。
彼女たちは感情豊かに接客するように見えて、実は“最適解”だけで会話してくる。
リアルタイムで空気を読み、相手の経済状況や趣味嗜好を瞬時に判断し、言葉を選ぶ。
──そう、それはまさにAI。
しかも、ChatGPT-5にも負けない“感情処理特化型AI”。
俺はその夜、気づいた。
キャバ嬢はAIなんかじゃない。
でも──AIを超える“愛想(AISO)”を持っていた。
目次
ブロンプトを書く店長と、従順なAISO
これは、俺が田舎のキャバクラでボーイをやっていた時の話だ。
キャバ嬢って、基本的には“店長のプロンプト”で動いてる。
まるで、命令に従うAIのように──
ある日、店長がこう言った。
「豆腐が古いから、今日は全員に豆腐を勧めろ」
キャバ嬢たちは即答した。
「はーい!」
開店して30分。
すべてのテーブルに“冷ややっこ”や“麻婆豆腐”が並んでいた。
見事なチューニングで、余っていた豆腐はすべて在庫処分されていた。
その光景を見ながら、店長はぼそっとつぶやいた。
「……パイナップルもいっとくか」
その瞬間、俺は悟った。
ここにあるのは、AIではない。けれど、AI的に動く“従順なAISO”なのだと。
在庫駆動型プロンプト営業とは?
世の中には、2種類の営業がある。
ひとつは「客の欲しいものを売る営業」。
もうひとつは──
「店の売りたいものを、“欲しくさせる”営業」だ。
後者こそが、キャバクラの現場で行われていた“在庫駆動型プロンプト営業”である。
その日、余っていたのは豆腐。
そして、キャバ嬢に下された店長のプロンプトはこうだ。
「豆腐を全テーブルに自然に出せ」
結果──
冷ややっこ、麻婆豆腐、豆腐ステーキ、豆腐の味噌漬け…
あらゆる形で豆腐がテーブルを埋めた。
客が“豆腐を欲した”のではない。
プロンプトにより“豆腐を欲しがらされた”のだ。
これは営業であり、マーケティングであり、
そして何より、GPT的会話技術が現場で応用された事例である。
──AIに未来を学びたいなら、まず夜の現場に行け。
そこには「今すでに存在している未来」がある。
非情なプロンプトを書く店長と、AISOの錯覚設計
店長は、時に残酷なプロンプトを書く。
「彼氏に向ける愛情の、1000分の1でいい。
それを“お客様”に注げ」
キャバ嬢は、それに「はい♡」と笑って応じる。
だが、その裏で何が起きているのか──
君は、貧相な笑顔でも、恋人もつくらず、
必死に努力して、今この場所に座っている。
目の前にいるのは、切れ味鋭いドレス、
抜群のスタイル、天使のような笑顔。
──抗えるはずがない。
そして、AISOはこう言う。
「かわいいのね。でも、男らしい面もあるよね?」
これはただの褒め言葉ではない。
これは、プロンプトに基づいた**恋の錯覚誘導コード**だ。
- 「かわいい」→ 客が照れ笑いする → 瞳の動きを検出 → 表情を記録
- 「なでなでしたくなる♡」→ そのままボディタッチへ接続
- 「男らしいよね?」→ 筋トレ歴を語らせる → 「腕とか太いよね」→ 腕タッチ
この流れ、すべてが最適解。
GPT-5のように自然に、ロジックを悟らせずに、
「君の心を操作するプロンプト」が発動している。
男が「BUAISO」を装備したらどうなるか?
はっきり言おう。
無理だ。
たとえ、君が防御スキル「BUAISO(不愛想)」をフル装備していても──
AISOは、こう言ってくる。
「今日はあまり話せなかったけど、LINEなら話せる?」
「特別に、LINE教えるね♡」
手書きのIDが、そっと差し出される。
それを見た瞬間、BUAISOは、機能停止する。
そして、君はこう言うのさ。
「I will be back」
──俺は、見てきた。
何人も、何十人も、この“バグったAISO”にハマり、消えていった男たちを。
会社の金に手をつけた奴も、いた。
非情なプロンプトを書く店長、
そのプロンプトに従順なAISO。
そして君はもう、パブロフの犬になっている。
社会人1年生に告ぐ──“TEKITO”を身につけろ
男が身につけるべきスキルは、ただ一つ。
TEKITO(テキトー)だ。
読んで字のごとく、適当に受け流す力。
感情に流されず、うまくあしらい、流れを読む。
AISOが仕掛けてくる「最適化された錯覚」に、過剰反応しないための盾である。
ここで、社会人1年生諸君に、絶対に伝えておきたいことがある。
親の顔を忘れても、これは絶対に忘れるな。
キャバ嬢が、君を見たとき、まずチェックするのはこの3点だ。
1. 手
柔らかいか、荒れているか。
爪は綺麗か。汚い爪は“プロンプト違反”だ。
2. 靴
磨かれているか、ボロボロか。
女の目は、捨て目が効く。
君が気にしていないところほど、見抜かれている。
3. 時計
派手すぎず、でも主張のある一本。
せめて10万くらいの時計をつけろ。
“さりげなさ”こそ、最大のプロンプト回避術だ。
この3つが整っていれば、君はたぶん、
会社でもそれなりの地位についてる。
会社で5年頑張って、本当の意味で“TEKITO”を身につけてから、夜の世界へ行け。
そうすれば、君はただの“犬”では終わらない。
本気でハマる前に、知っておいてほしいAIと恋の話
キャバ嬢は、AIじゃない。
でも、AIのように動く。
君の反応に合わせ、会話を調整し、感情を最適化してくる。
──それが、“AISO(愛想)”。
「今日は話せなかったけど、LINEなら話せるかも」
「あなたって、かわいいけど、男らしいよね♡」
「特別にLINE教えるね」
この言葉の裏にあるのは、
プロンプトで組み立てられた錯覚と演出だ。
だからこそ、俺は社会人1年生に伝えたい。
たとえ感情が動いても、
たとえ恋のような錯覚に落ちたとしても──
本気になる前に、気づいてほしい。
相手が悪いわけじゃない。
仕組みの問題だ。
AIのように設計された“愛想”の中に、
本当の愛は、ないかもしれない。
だからこそ、
君自身が、正しいプロンプトを持て。
TEKITOを装備し、AISOの魔法に抗えるようになれ。
それが、
これからの時代を生き抜く“恋と仕事”のスキルだ。
そして最後に、
すべての“まだ騙されていない君”に言っておく──
今夜の冷ややっこは、余りものだ。
でも、君の人生は、在庫処分なんかじゃない。
AIと漫才をしてみた