
人は忘れる。でも、データベースは覚えている。
人は、忘れる。
これは、仕方のないことだ。
どれだけ大事な瞬間も、
感動したことも、
気づきがあったことも──
時間が経てば、跡形もなく消えていく。
ただし、初めての彼女とキスをしたことは忘れない。
記憶とは、磁気と同じだ。
鮮明なものほど、心に焼き付いて、離れない。
かつてアインシュタインが、相対性理論について記者に問われた。
「なぜ、時間は相対的なのか?」
彼はこう答えた。
「100度の鉄球を握るのと、好きな子の手を握る。どっちが長く感じるかね?」
──答えは、心にしかない。
目次
忘れてしまった“宝物”たち
俺は、本来、ガサツな人間だ。
読みたい本が見つからない。
ペンも、いつの間にかどこかへ消える。
余談だが、
「こち亀」を本気でデータベース化しようと思ったことがある。
感動回、痛快回、部長シリーズ──そんなふうに分けてね。
そこで、気づいた。
整理整頓は重要だ。
この世の中で、一番重要なのは、情報だ。
情報を整理できない奴は、五里霧中の中をさまようことになる。
だから、人はメモを取る。
──だが、ここからが本当に大事だ。
メモ脳なのか。
データベース脳なのか。
ビートたけしさんも、売れない時代、必ずノートに気づきをメモしていたという。
オールナイトニッポンだって、アドリブじゃない。
裏では、ちゃんと構成していたと、後に語っている。
データベースは感情の“冷凍保存”だ
データベースと冷蔵庫は、よく似ている。
俺はガサツだから、冷蔵庫にもとりあえず買ったものを放り込む。
鮮度など気にしない。
腹が減ったら食べる──それだけだ。
だが、時々、腐ったものも見つかる。
賞味期限切れの肉、変色した野菜。
それでも、牛乳だけは違った。
古いものを手前に置き、新しいものを奥に置く。
──ちょっと待て。
ナンバーリングはしていないが、これは俺が、
初めて「整理整頓」というものに無意識で気づいた瞬間だった。
もしかして、
冷蔵庫の中のすべての食品に番号を振ったら──
もっと効率的に消費できるんじゃないか?
そこから、さらに考えた。
少し難しい話をするが、
データベースには「クエリ」という技がある。
ジャガイモ、肉、玉ねぎ、人参。
これらから作れる料理は何か?
カレー、肉じゃが、シチュー──。
カレーが食べたいなら、必要な素材だけを抽出する。
この「必要なものを取り出す行為」が、データベースにおける「クエリ」だ。
冷蔵庫は、料理の原料を保存している。
データベースは、過去の出来事を記録し、
未来の行動を決めるための情報源になるのだ。
過去の自分へ
ほら、また書きなぐっている。
そんな汚い字で、未来のお前が読めるのか?
付箋に書いて、貼っただけで満足するな。
蛍光ペンで線を引きすぎたら、どこが大事か分からなくなる。
その瞬間、
もう「情報弱者」だ。
日本人で九九を言えない人間はいない。
あれは、一番吸収力のある子供の頃に、1,000回以上反復したからだ。
日常のことは、そんなに繰り返さない。
だから、すぐに忘れてしまう。
──だからこそ、3分でいい。
たった3分、データベースにまとめるだけで、
未来の自分が救われる。
余談:絶対に忘れない記憶術
余談だが、
絶対に忘れない記憶術というものがある。
「トイレの扉を開けたら、ライオンがいた」
──このシーンを想像したら、一生忘れない。
さらに、ライオンが「apple」をくわえていたら、
appleの単語も一発で覚えられるだろう。
一見、すごい。
でも、現実には高校受験で1,500単語が必要だ。
1,500種類の動物を探すより、
1,500個の単語を覚えた方が、よっぽど早い。
本当に必要なのは、派手なテクニックじゃない。
地道な積み重ねだ。
だから、いま
過去の自分よ──
3分でいい。
あの日、あの瞬間に、少しだけでも「未来の自分」のために整理しておけば、
きっともっと楽に、もっと強く、進めたはずだ。
だから今、俺はデータベースを作る。
忘れないためじゃない。
また、走り出すために。
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