マルゼンスキーの呪いを解いた馬──俺が「トウカイテイオー」を最強ダービー馬と呼ぶ理由
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マルゼンスキーの呪いを開放した馬

ダービーが近いので、思い出のダービー馬を記載したい。

皆さんの中にも、最強のダービー馬がいるだろう。

俺は、トウカイテイオーが最強のダービー馬だと思っている。

なぜ?

トウカイテイオーは、マルゼンスキーの呪いを終わらせた馬だからだ。

マルゼンスキーという馬

 

この馬を、俺はリアルタイムでは見ていない。

しかし、強い。おそらく、ディープインパクトと走っても負けないと思う。

マルゼンスキーの印象的なレースは、日本短波賞だろう。

4コーナー手前でゴールと勘違いして失速。

しかし、ここからがすごい。

4コーナーから、ちょっとアクセルをふかし、2着に8馬身差をつけて勝利する。

こんな馬は、観たことがない。

悲劇のマルゼンスキー

なぜこんなに強いのに悲劇なのか?

それは、外国産馬だからだ。

当時は、強くても、外国産馬であることから、ダービーに出走することはできなかった。

強すぎるが故に、常に、脚部不安説が流れる。

そして、マルゼンスキーのオーナーがJRAに直訴したとか。

「賞金は、いらない。大外でいいからダービーに出走させてくれ」

しかし、オーナーの願いは、かなわなかった。

真偽は定かではないが、恐らく本当だろう。マルゼンスキーの話が出ると、必ず話題になるからね。

そう、ここからマルゼンスキーの呪いは始まる。

トウカイテイオーまでのダービー

8枠は無条件で消しだった。

どんなに強い馬がいても、8枠は無条件で消し。

余談であるが、安田記念の3枠も無条件で消し。

本当に連対しない事実があった。

以前のNHKマイル(NHK杯)

これは、ダービーの優先出走権がかかったレースであった。

当時は「NHK杯」と呼ばれていたが、NHK杯では8枠も連対する。

なのに、ダービーでは連対しない。

これは、日本競馬の権威を落とさないためだと、俺は思っている。

なぜなら、サラブレッドの生産地は日高地方である。

日高にはヒグマの生息地があり、クマの生息する地域では、強いサラブレッドは育たない。

馬は、クマの匂いで動かなくなる。逃げることすらしない。

クマの腹の中で、サクラ肉になるしかない。

その育成環境での日本のサラブレッドが、マルゼンスキーに勝てるわけがない。

現在はどうか分からんが、1970年代は、日本のサラブレッドは、パチモンだったと思う。

NHK杯では8枠を連対させ、ダービーでは8枠を連対させない。

これはもう、見事と言うほかない──「ダービーの枠連の呪い」だった。

トウカイテイオーが呪いを破った瞬間

それが平成2年のダービーであった。

当時は、単枠指定という制度があった。

トウカイテイオーはゼッケン番号20番、8枠。

通常、8枠は4頭ほどいるが、この時はピンクの帽子が1頭だけ、それがトウカイテイオー。

強い馬がJRAから単枠指定されると、このようなことが起きる。

トウカイテイオーの父は、皇帝シンボリルドルフ。

競馬に絶対はないが、ルドルフには絶対があると言わしめた馬だ。

その息子がトウカイテイオー。

だが、俺は思う。トウカイテイオーには、ルドルフ並みの貫禄がない。

言うなら、緊張感がない。

すっとぼけて走っている。というか、一生懸命走っていない。

だから、トウカイテイオーにはレコード勝ちがない。

平成2年のダービーは迷った

ダービー最有力のトウカイテイオーが8枠。

ルドルフの息子で、皐月賞の勝ち方もすごい。

さて、皆さんなら買えるだろうか?

トウカイテイオーの単勝オッズは1.6倍。

本来なら1.2倍でもおかしくない。
この0.4の差は、競馬ファンが迷った証だと思っている。

昭和から平成へ

マルゼンスキーは、昭和の名馬である。

だが、その記憶も時代とともに薄れていく。

そんな“緊張感のない”トウカイテイオーなら、8枠でも連対させてやろう──JRAはそう考えたのかもしれない。

ここで、断言する。

シンボリルドルフがもし8枠だったら、ダービー馬にはなっていない。

トウカイテイオーが持つ、あの“ふざけたオーラ”が、新しい時代をつくったのだろう。

ダービー馬になったトウカイテイオー

やっぱり、緊張感がないし、嬉しそうでもない。

オヤジの全盛期でも、お前が東京2400mを走ったら勝つだろうな、と思った。

なぜ、そんなにも清々しく勝てるのか──

今でも、不思議でしょうがない。

その清々しい走りが、オヤジから受け継いだのか?

強いだけでは、愛されない。

テイオーは、それを知っていたのかもしれない。

だからこそ、トウカイテイオーは愛された。

 

トウカイテイオーのもう一つの功績

トウカイテイオーは、坂路調教馬として初めてダービーを制覇した。

今でこそ当たり前だが、当時としては画期的なことだった。

この坂路調教は、翌年のダービー馬・ミホノブルボンに継承されていく。

強者は、勝つための手段を明らかにしても、負けないという自負がある。

きっと、ミホノブルボンと東京2400mを走っても、清々しく勝つのだろう。

そして、有馬記念には触れない

有馬記念のエピソードはここでは書かない。

だが、あの奇跡のラストランも、このダービーがあったからこそ生まれた。

トウカイテイオーは、俺の中で、ダービー最強馬だ。

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