その時は、突然来た。
警官「はい、ゲンタイ、ゲンタイ」
俺の、カシャと音がしたと思ったら、手錠がはまっていた。
そう、現行犯逮捕された。
目次
パクられたときの心構え
こんにちは。伊川(@naonaoke)です。
ここに来ている人たちは、善人だと私は思う。
だから、逮捕などされないと思っているだろう。
しかし、このような事態は、突然やってくる。
この記事が、みなさんの役に立たない日を願い、この私の経験談を書きたいと思う。
巷で販売されている書籍は、逮捕前の書籍であり、パクられたらどうなるかという書籍は、あまりない。
あくまで、これは、ワッパがはまった瞬間からの話である。
事件のあらまし
その夜、俺は気分よく帰宅したが、ネックなことがあった。
嫁と喧嘩していた。
喧嘩の理由は割愛するが、しばらく口をきいていないし、飯も自宅では食べなかった。
焼肉を食べ、ガールズバーのねーちゃんをおちょくり、帰宅したのだった。
ビールをジョッキで、3杯、ハイボール5杯、焼酎の水割りを、5杯飲んだ。
しかし、嫁の野郎が、絡んできた。
帰宅が遅いだの、なんだの、かんだの。
聴き流して、小便をして、寝ようと思い、トイレに入った時、トイレのドアを、思いっきり締めやがった。
猪木ボンバイエのテーマが流れてきた
頭の中には、猪木ボンバイエのテーマ流れ始めた。
もう止まらねぇ。
そこから、嫁と殴り合いの喧嘩が始まった。
嫁は、目にアザ、と、頭から流血。
俺は、顔を殴られ、口から流血して、股間も蹴られている。
下腹に、鈍痛!
しかし、男たるものは、喧嘩の時には膝まづいてはいけない。
仁王立ちしているが、さすがに、頭からの出血はマズイ。
救急車を呼べと言った。
正直に、俺が殴ったと言ってもいい。
俺はとにかく、寝ると言って寝た。
嫁が家を出るとき、「殴られた」とは言わないからと言って、救急車へ搬送されて行った。
しかし、どうせ、口を割るんだろと思っていた。
人生初の経験
午前2時に突然、目が覚めた。
消したはずの電気も煌々と光っている。
警官、6人に俺は、囲まれていた。
口を止血してたきに付着した、血まみれの手を見せた。
まだ、戦闘モードの俺
そして、現場検証になる。
誰の血かしらんが、シーツにおびただしい血痕の跡がある。
派手にやったなと心中で思っていた。
そうすると、「認めた、認めた」
そのあと、「ゲンタイ、ゲンタイ」
手錠がハマった経験は、さすがに人生初だった。
車中の会話
男と女では、力が違うから
気分は、猪木から、菅原文太に変わっている
近年は、DVなどと言われ、即警察が動くような時代に、流血ありの殴り合いの喧嘩は、さすがに、マズイ。
しかし、俺は、反省などしない。
喧嘩には、どっちにも言い分がある。
殴ったことは、悪いが、盗人にも三分の理だ。
とことん、俺は、戦ってやるの勢いであった。
逮捕されるとどうなるか?
俺は、2時13分に逮捕された。
司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取ったときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から48時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
刑事訴訟法203条
そう、2時13分にゴングはなった。
警察は、起訴に足る十分な証拠をもって、検察官に送検するのである。
しかし、証拠と言っても、俺はすでに、自白をしている。
正直に警察に行って、「ごめんなさい」と謝ろうと思っていた。
「留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し」
この条文が俺を助けてくれると思っていた。
取調室
弁護士を付ける権利、つまり、当番弁護士、国選弁護人を選任する権利を読み上げられるが、そんなもんいらんと、警官を一括する
そして、アルコール検知機が来た。
俺の呼気には、0.48のアルコールが含まれていた。
うーん、マズイ、飲みすぎたか。
酒を飲んで、暴れたとなると、ヤバイ状況になるかも?
※実は、素面で暴れたほうがもっとマズイが、なんせ、酔っていたので、頭が回らなかった。
部屋を確保するから、待っていて
実に、取調室で、待つこと3時間半、俺専用の留置場が用意された。
留置場
トイレと畳10枚の部屋。
留置場に入ったのが、5時45分。
6時30分起床ということで、布団はもらえなかった。
黒い毛玉のついたベージュの毛布を一枚与えられ、枕もなし。
畳の上で、大の字なって寝るしかなかった。
当然、6時30分に起こされ、朝食は、用意されていないので、コンビニのおにぎりを2つもらった。
ツナマヨ、と鮭だ。
俺は、ちなみに、ツナマヨは大嫌いであるが、48時間の戦いに備え、どんなものでも食べなければならない。
わずかに水を口に含み、鮭とツナマヨを食べて寝た。
上の写真が、留置場の食事になる。
俺が食べたのは、こんなに豪勢な弁当ではない。
目を疑ったのが、ミカンの缶詰の、ミカンがおかずになっていた。
それと、チーズとサバ。
ミカンをおかずにして、ごはんを食べたのも人生初であった。
風呂
8時くらいに、風呂に入る?と聞かれたので、風呂に入った。
時間制限は、20分、タオルと石鹸、紙コップに入った、わずかながらのシャンプー受け取る。
もう、ここは、帝愛なだと思いながら、浴室に行くと、バスタブは、正方形だった。
体育座りをしないと、入れないし、くつろぐことなんて、できない。
もはや、ゴエモン風呂言っても過言ではない。
まー、何とかなるさと、ここでも、俺の考えは甘かった。
留置場の厳しさ
留置場の敷地に入った瞬間に、番号で呼ばれる。
ちなみに俺は、4番だ。
書類の署名は、51番だ。
留置場の人は、警官と言えど、被疑者の世話をする人である。一応、快適にとは言っていたけど。
警察署の中に、取調室と、留置場があるが、留置場は、別世界だ。
同一建物内であっても、本当に別世界だ。
許可が不要なのは、トイレだけ。
風呂に入って着替えをしていた時、パンツに穴が開いていたので、自宅に電話したいと言った。
当番弁護士の重要性
ここで、俺の考えは、あまいと悟った。
弁護士がいないと何もできない。
留置場で、着替え、読みたい本、弁当などは、拘留されている事実を知らなければ、だれも来ない。
しかも、トドメの一言
パンツ1枚で、5,000円とかっていう話も聞いたことあるし
パンツ1枚、5,000円?
CALVIN KLEINのパンツでも注文したのか?
大ありだよ。誰が使ったかもわからない、しかも洗濯しているかもわからんパンツだ。
しかし、逆らっても仕方ない。
素直になろう。
猪木ボンバイエのテーマは、モーツアルトのレクイエムになっていた。
しかし、持ってきたパンツは、だれが履いたのかわからない、相当古いパンツだった。
当番弁護士を呼んだはいいが、嫁の携帯番号がわからないので、その場で撃沈。
もし、拘留されたら、いち早く、当番弁護士を呼んで、身内、友人に、拘留の事実を伝え、本3冊と、着替えと、幾ばくかのお金を用意してもらうことを強く勧める。
留置場留置場での生活
なにもできない。
っていうか、やることがない。
ココが重要なのだが、逮捕された瞬間に、刑事訴訟法にのっとり、淡々と手続きが進んでいく。
泣こうが、喚こうが、警察官の心象が悪くなるだけ。
それ以上でもなければ、それ以下でもないのだ。
いつ出れるのかという不安しかない。
暇なら、スマホで、ゲームだの、散々、自由な生活をしていたのに、
あるのは、トイレットペーパーと、毛玉だらけの毛布だけ。
取り調べもいつ始まるかわからない。
この空間で、拘留の延長もできるとなれば、48時間の戦いではない。
時間が長くて、どうしようもなくなる。
逮捕されたら、少なくとも、48時間は拘留できるので、ゆっくりしていけのような感じ。
こんなところに、ホリエモンは保釈が認められず、結構な日数を過ごしたのだと思った。
だから、とにかく、寝た。
人間やればできるもんだ。
2日目は、たぶん、18時間くらいは寝た。
取調
唯一、気の休まるのが、取調であった。
水が自由に飲めるからだ。
もちろん、留置場でも飲めるが、1回、100㏄くらいだ。
自慢ではないが、俺は水が大好きだ。炭酸水もだ。
刑事さんと、雑談を交えながらの取調は、本当に助かった。
いつ、出れるんですか?と尋ねたら、明日と返答してくれた。
希望が見えた。
結末
結局1日半で釈放された。
在宅起訴となり、書類送検される。
検事が不起訴を決定すれば終わりだ。
よくドラマで、釈放の時に一人で出てくる人がいるが、あれは嘘だ。
必ず、身元引受人が来る。
来ないと釈放されない。
俺は、友人がいない。
ということで、昔、昔世話になった人にパトカーで送られた。
釈放後の、たばこは、本当にうまかった。
コーヒーとたばこ、マジやばいくらいにうまかった。
緊張のせいなのか、たばこを吸った瞬間に、便秘も改善された。
結局、不起訴となり、それで終わりであるが、せめて、将棋盤くらい、留置場においてほしいと思うこの頃である。
もう一つの人生初経験がある。
それは、便秘だ。
留置場にいると、自分では感じなかったが、おそらく緊張で、大便は出なかった。
コーヒーとたばこが終わったら、便秘も解消された。
最後に
被疑者、被告人は、はっきり言ってヒマである。
大抵、裁判官、検事、弁護士は、忙しい。
ヒマな、裁判官、検事、弁護士なんて、ロクなもんじゃないと思う。
こうなると、唯一、ヒマな、被疑者、被告人は、本当にかわいそうだと思う。
未来への不安が、ハンパない。
地獄の沙汰も金しだいとは、よく言ったモノだ。
どんなに、クソ忙しい弁護士でも、「センセ、センセ」と煽てて、
ススキノを3軒くらい、ハシゴさせれば、どんなに、忙しい弁護士だって、ヒマになる。
このように考えると、保釈も必要だと思う。
しかし、留置場は、案外、寝心地は、よかった。
パンツ、1枚5,000円でなければ、たまに、あのハコの中で寝るのも悪くないね。
しかし、盗むな、殺すな、傷つけるな。
シャバで生活したければ、これは基本だと思った、1泊2日の旅行であった。